カスタマーハラスメント対応ポリシー
求職者・応募者の皆さまへ

はじめに

訪問介護の仕事は、介護職員がご利用者様のご自宅を訪問し、身体介護や生活援助などのサービスを提供する仕事です。

ご利用者様が住み慣れたご自宅で安心して生活を続けられるよう支援するためには、介護の知識や技術だけでなく、ご利用者様やご家族との信頼関係を築くことが大切です。

一方で、訪問介護では介護職員がご利用者様の生活空間に一人で訪問する場面も多く、ご利用者様やご家族からの暴言、威圧、暴力、性的な言動、過度な要求などによって、職員が大きな精神的・身体的負担を受けることがあります。

当事業所では、ご利用者様からの正当なご意見やご要望には誠実に向き合います。

同時に、介護職員が安心して働くことのできる環境を守ることも、質の高い介護サービスを提供するために重要だと考えています。

そのため当事業所では、カスタマーハラスメントに対して、職員個人に我慢を求めるのではなく、事業所として組織的に対応します。

これから訪問介護の仕事を始める方にも、「困ったときに一人で抱え込まなくてよい職場」であることを知っていただくため、本ポリシーを定めています。

1.カスタマーハラスメントとは

本ポリシーにおける「カスタマーハラスメント」とは、ご利用者様やご家族等から介護職員に向けられる言動のうち、その内容や手段・態様が社会通念上許容される範囲を超え、介護職員の安全や就業環境を害するものをいいます。

訪問介護では、ご利用者様からの苦情やご要望のすべてがカスタマーハラスメントになるわけではありません。

例えば、

● サービス内容について説明を求める
● 職員の対応について苦情を伝える
● 訪問時間について相談する
● サービスの改善を求める

といった正当なご意見・ご要望には、事業所として誠実に対応します。

一方で、正当な要望であっても、暴力や脅迫、人格を否定する暴言、長時間の拘束など、手段・態様が社会通念上許容される範囲を超える場合には、カスタマーハラスメントとして対応することがあります。

2.訪問介護で想定されるカスタマーハラスメント

具体的には、次のような行為が該当する場合があります。

身体的な攻撃

● 殴る、蹴る、叩く
● つねる、引っかく
● 職員を押す、引っ張る
● 物を投げつける
● 刃物などの危険物を示して脅す
● その他、職員の身体に危害を加える行為

※ご利用者様の認知症や疾病・障害等による症状として生じている場合には、その背景も確認し、ケア方法や環境の調整を検討します。

暴言・脅迫・威圧的な言動

● 「殴る」「殺す」などの脅迫
● 大声で怒鳴る
● 職員を威圧する
● 人格や能力を否定する
● 差別的な発言を繰り返す
● 「会社を潰す」「SNSに書く」などと脅して要求を通そうとする
● 職員や事業所に対して過度な謝罪を要求する

セクシュアルハラスメント

● 職員の身体に触る
● 性的な発言や質問を繰り返す
● 性的な行為を要求する
● 職員の容姿や身体について不適切な発言をする
● 職員の交際や私生活について執拗に聞く
● 個人の電話番号やSNSアカウントを要求する
● 業務外で会うことや交際を求める

性的な言動についても、職員が「仕事だから我慢しなければならない」ということはありません。

プライバシーを侵害する行為

● 職員の住所・電話番号・家族情報等を聞き出そうとする
● 職員の写真や動画を無断で撮影する
● 職員の個人情報をSNS等に掲載する
● 職員を勤務先以外の場所で待ち伏せする
● 業務外での接触を執拗に求める

過度・不当な要求

● 契約・介護保険制度上提供できないサービスを要求する
● 本来のサービス内容にない家事等を繰り返し要求する
● 職員個人に買い物や金銭の立替えを依頼する
● 職員個人に金銭や物品を要求する
● 事業所の責任範囲を超えた問題を職員個人に解決させようとする
● 土下座等の過度な謝罪を要求する
● 職員個人の処分・解雇を要求する

長時間の拘束・執拗な要求

● 訪問時間を大幅に超えて職員を帰らせない
● 職員の退室を妨げる
● 同じ要求や苦情を何度も繰り返す
● 電話やメッセージを過度に繰り返す
● 一度説明・回答した内容について、執拗に再対応を求める
● 職員一人では解決できない問題について、長時間の対応を強要する

3.ご利用者様の状態にも配慮します

訪問介護では、認知症、精神疾患、知的障害、その他の疾病や障害などによって、ご本人の意思とは異なる言動が生じる場合があります。

そのため、問題となる言動があった場合でも、単純に「カスハラ」と判断するのではなく、

● ご利用者様の心身の状態
● 認知機能の変化
● 服薬状況
● 生活環境の変化
● これまでの経過
● 他のサービス利用時の状況

などを確認します。

必要に応じて、ケアマネジャー、主治医、訪問看護、地域包括支援センター、ご家族等と連携し、より良い支援方法を検討します。

ただし、ご利用者様の状態に原因がある可能性がある場合でも、介護職員が危険な状況を我慢してサービスを続けることを求めるものではありません。

職員の安全を確保したうえで、事業所として対応します。

4.カスタマーハラスメントが発生した場合

当事業所では、職員が一人で問題を解決することを求めません。

カスタマーハラスメントが疑われる場合には、基本的に以下の流れで対応します。

① 安全を確保する

危険を感じた場合は、サービスの継続よりも職員自身の安全を優先します。

必要に応じて、その場から退避します。

生命・身体に危険がある場合には、警察・消防等への連絡を行います。

② 管理者・サービス提供責任者へ報告する

職員一人で判断せず、事業所へ報告します。

「この程度なら報告しなくてもいい」と自己判断する必要はありません。

③ 事実を記録する

発生日時、場所、発言・行為の内容、職員の対応などを記録します。

④ 事業所として対応する

必要に応じて、

● 担当職員の変更
● 複数名での訪問
● ケアマネジャー等との連携
● ご家族等との協議
● サービス内容・提供方法の見直し
● サービスの中断
● 契約内容に基づく対応

などを行います。

5.職員を守るための対応

カスタマーハラスメントが継続・悪化する場合には、事業所として以下の対応を行うことがあります。

● 行為者への注意・警告
● 対応者を管理者等に変更
● 対応方法の変更
● 電話・メール等、記録が残る方法への変更
● サービス提供の中断
● 担当職員の変更
● 関係機関との連携
● サービス提供の終了・契約上の措置
● 弁護士等の専門家への相談
● 警察への相談・通報
● その他、職員の安全確保に必要な措置

「ご利用者様だから、何をされても我慢する」という対応は行いません。

6.職員に約束すること

当事業所は、訪問介護の仕事を始める皆さんに、以下のことを約束します。

一人で抱え込ませません

困ったことがあれば、管理者やサービス提供責任者に相談してください。

無理に一人で対応させません

危険性や問題の内容に応じて、事業所として対応方法を検討します。

「仕事だから我慢する」を前提にしません

暴力、脅迫、性的な言動、人格を否定する言動等を、職員が我慢することを当然とは考えません。

ご利用者様への支援と職員の安全を両立します

利用者様の状態や背景にも配慮しながら、職員の安全も同時に守ります。

相談したことを責めません

「自分にも原因があったのではないか」と一人で悩まず、まず相談してください。

7.求職者・応募者の皆さまへ

訪問介護は、人と直接向き合い、ご利用者様の生活を支える、責任とやりがいのある仕事です。

その一方で、介護の仕事だからこそ、ご利用者様との関係の中で困難な場面に直面することもあります。

当事業所は、そうした場面を「介護職なら仕方がない」「経験を積めば一人で対応できる」と考えていません。

困ったときに相談できること。

危険なときに安全を優先できること。

問題が起きたときに事業所が職員と一緒に対応すること。

これらを大切にしています。

訪問介護の仕事に興味を持っていただいた皆さまには、仕事内容だけでなく、「職員をどのように守る職場なのか」についても知っていただきたいと考えています。

面接・職場見学・採用面談等の際には、カスタマーハラスメントへの対応体制についても、遠慮なくご質問ください。

8.当事業所の基本姿勢

ご利用者様の尊厳を守ること。

介護職員の尊厳を守ること。

この二つは、どちらか一方だけを大切にするものではありません。

ご利用者様と介護職員がお互いを尊重し、安心してサービスを利用・提供できる環境をつくることが、より良い訪問介護につながると当事業所は考えています。

私たちは、職員が安心して長く働くことができる職場づくりに取り組みます。

求職者の皆さまへ

「困ったときに、一人にしない。」
それが、当事業所のカスタマーハラスメント対策の基本です。

相談・連絡先

管理者: 中野千秋

サービス提供責任者: 中野千秋、山川美穂

事業所電話 : 042-497-5887

緊急時:110(警察)/119(救急・消防)